ウルトラマン世代の子供たち

ともっちが子供の頃に好きだった子供番組に、ウルトラセブンという作品がありました。 ともっちはこれの前番組だったウルトラマン、さらに前番組のウルトラQの頃から 一生懸命見てきました。 しかし、年を重ね高校生になるとアニメからSF 小説、映画へと興味ある作品、見る作品が変わっていきました。 たまたま遊びに行った友人宅で 友人の弟が再放送のウルトラマンを見ていました。 友人と懐かしいなぁなどと言いながら見るともなく見ていると・・・ウルトラマンと怪獣が、何を表現しているのか・・・ぼんやりと見えました。 ウルトラマンも怪獣も、人間以上の力を持っている存在です。人間だけが力を持っていない。その人間を力ある怪獣が苦しめる。 苦しんでいる人間を 力あるウルトラマンが助ける。 怪獣は力を自分のために使う存在であり、ウルトラマンは 力を他人のために使う存在だ・・・ということに気づいた。 これから大人になって、大人の力・・・を手にいれたときに、その力をどのように使うのか?考えなさい・・・そう言ってるように見えた。 その日から ウルトラマンはともっちにとっての特別なヒーローになった。 父親や母親がウルトラマンなのだと思った。自分が一番力が無く、守られていたのだとわかった。そしてともっちが大人になり、両親が年老いて子供を守る力を無くした時、今度は自分がウルトラマンになるのだ!と思った。 両親の介護をしているとき、なぜか何度もこのことを思い出した。 つらくてくじけそうになったときも、テレビでウルトラマンを見て 元気を分けてもらった。 怪獣と戦うウルトラマンに、怪獣に苦戦するウルトラマンに、現実に苦しむ自分を重ねて励ました。両親を看取り、葬儀が終わったとき・・・地球を後にするウルトラマンの気持ちがようやくわかったような気がした。 まさか五十代になって ウルトラマンが心の支えになるとは思わなかった。そんなものだと思わずに見ていた。自分は一体、何を見ていたのだろう?何を見て生きてきたのだろう?子供番組とは 子供たちに世界とはこういうものだ!と教えているのだと思った。 そのための寓話なのだ。昔の大人は子供たちをしっかり育てていたんですねぇ。ありがとうごさいました。